パートナーの不倫(不貞行為)が発覚し、離婚や慰謝料請求を考える際、時間には厳しい制限があります。それが、民法で定められた「時効」です。時効が成立してしまうと、たとえ確固たる証拠があっても、法的に慰謝料を請求する権利を失ってしまいます。
不倫の慰謝料請求権には、二種類の時効期間があり、どちらか早い方が成立します。
1. 【基本の時効】不倫の事実と相手を知った時から3年
不倫の慰謝料請求権(不法行為に基づく損害賠償請求権)は、被害者が以下の二つの事実を両方知った時から3年間で時効が成立します。
- 不倫の事実を知った時(損害及び加害者を知った時)
- 事実(不倫): パートナーが浮気をしているという具体的な事実を知った時。
- 加害者(不倫相手): 不倫相手の氏名、連絡先、勤務先など、特定に必要な情報を知った時。
通常、パートナーの浮気を疑い始めた時点ではなく、「誰と浮気をしたのか」まで特定できた時点から時効のカウントが始まります。
2. 【絶対的時効】不倫があった時から20年
たとえ不倫の事実や相手を知らなかったとしても、不倫行為があった時点から20年が経過すると、慰謝料請求権は時効によって消滅します。
この20年という期間は非常に長いため、通常は上記の「3年」の時効が先に成立することがほとんどです。
3. 時効成立を阻止するための具体的な行動
時効が迫っている、あるいは時効を成立させたくない場合、以下の行動を速やかに取る必要があります。
① 裁判外での「時効の完成猶予」(旧「時効の中断」)
時効の完成が迫っている場合、内容証明郵便などで不倫相手に慰謝料を請求する意思を伝えることが有効です。
- 方法: 弁護士に依頼し、不倫相手に対し慰謝料請求の内容証明郵便を送付します。これにより、時効の完成が6ヶ月間猶予されます。
- 注意点: 猶予期間中に裁判を起こすなどの法的措置を取らなければ、時効は完成してしまいます。内容証明郵便の送付は、あくまで「時間稼ぎ」のための手段です。
② 裁判上の請求による「時効の更新」(旧「時効の中断」)
時効の完成猶予期間中に、裁判所を通じて訴訟(裁判上の請求)を提起することが、時効の更新(リセット)に繋がる最も確実な方法です。
- 効果: 裁判を起こし、勝訴が確定すれば、その時点から新たに10年間時効がリセットされます。
4. 探偵調査が「時効」問題で果たす重要な役割
時効の起算点(カウントの開始点)を巡っては、「いつ不倫相手を特定できたか」が争点になりやすいです。
- 探偵の報告書の価値: 探偵の調査報告書には、不倫相手の氏名や住所など、特定情報が記載されます。この報告書の日付や、あなたがその情報を知った経緯が、時効の起算点を明確に証明する証拠となります。
- 迅速な証拠確保: 3年という期間は意外と早く過ぎ去ります。特に不倫が現在進行形で続いているのか、過去の出来事なのかが不明確な場合、まず探偵に依頼して事実と相手を特定し、時効の起算点を明確にすることが、権利保全の第一歩となります。
慰謝料請求の権利を失わないためにも、「時効がある」という事実を認識し、不安を感じたらすぐに当社、または弁護士にご相談ください。

